トノチョ舞台千秋楽

 今日は2公演参加しました。ラストは複数回カーテンコールがあって、演出・脚本の中村さんも出てきたのですが、メンバーの感想などは無し。あっさりしたエンディングでした。トークショーのある公演に行けなかったので、メンバーの舞台に関する感想を聞きたかったです。


 毎日通って、メロンの3人と舞台役者の皆さんの熱演を感じて、楽しかったのですが、社会風刺については、かなり疑問がありました。



 この舞台は、ある教団が人間をゾンビにしてしまうウイルスを撒いて、そのために村田さん演じる新渡咲良の両親と妹がゾンビになって、かくまう咲良とそれを取り巻くゾンビにならなかった人間との関係を描いたストーリー。今の腐った社会をぶち壊すためにウイルスを撒いたという設定でした。


 気になったのは、今の社会を悪くしているのは、自分のやりたい職業に就けなくて、望まない仕事をいやいややっているから犯罪などいろいろな悪いことが起きてしまうというくだり。


 私自身バブル前の就職で、当時は就職難の時代だった。浪人もしてなくてストレートで麻生君と同じ大学をそこそこ以上の成績で卒業したけど、体に問題があって、就職は連敗続きで、ゼミの所属で就職決まったのは最後。当然行きたいところではなくて、入れたから行った職場。そこで23年働いている。これだと今回の舞台では、世の中は壊れてしまえと思うところですが、今の職場は出世を考えなければ結構自由だし、いいところに入れたと思っている。


 子供の頃からあこがれていた仕事に就けるのはほんのわずか。それがかなわないから社会が悪いと言うのは、極論すぎだし、今の自分が恵まれないのは社会が悪いといって犯罪を犯しているのと変わらない。社会風刺系の舞台を見るとサラリーマン経験が無いから理想論を振りかざすことが多いように思う。そんなに単純な世界ではないです。


 私は鉄道好きで鉄道会社に入りたかったのですが、のぞみはかなわず。ただ、落ちた鉄道会社の人事に言われたことで印象に残っていることがある。鉄道会社は好きな奴は取らないようにしている。自分の好きなことだと順風満帆な時はいいけど、壁に当たったときに逃げ道が無くて挫折してしまう。好きな世界は仕事と別にして、疲れたり、嫌なことがあったり、行き詰ったりしたときに趣味の世界で癒されればいい。確かに私も週末に自分の好きなことをやって、平日との違いで楽しく生活している。好きな道に行くことだけがいい人生ではない。夢がかなうことだけがいいと言うわけでないことを実体験している。


 今回の舞台を見ていて、自分が負け組かなという気がしてしまった。世の中から見ればかなりいい企業に入っているわけだし、プライベートでは、自由に好きなことをやっているのだから人生を謳歌している。なんとなく自分の今までの人生を否定されたように思ってしまいました。ここまで考える必要は無いのでしょうけど、凄く気になりました。