事業仕分けとノーベル賞

 事業仕分けで科学技術予算がかなり厳しく査定されて、ノーベル賞受賞者が総出で文句を言っているのをテレビで見ました。最初に野依さんが出てくるのですが、野依さんはスパコンの開発予算を要求して査定された理化学研究所の理事長。責任者なのだから査定を食らわないように説明すべきなのに後から文句を付ける不思議。


 自分も仕分け対象になった科学技術関連の法人に勤務しているので、科学技術関連研究が日本の将来のために重要であることは分かっている。ただ、難しい研究内容の説明を誰にでも理解できるように説明することが出来る人はほとんどいない。だから短時間で説明が不可能で、このような査定だと落とされてしまうようになる。難しいことを難しく説明するのは容易。難しいことを万人にその有効性や内容を分かりやすく説明するのは困難。科学技術関連は聖域視されていて、比率による削減はあっても項目の見直しはほとんど無い。専門家ではない人に説明できる能力を養成してこなかったつけが回っているような気がする。口べたな科学者の説明を聞いて、畳みかければ反論も出来ないから仕分けも格好が付けやすい。一番悪い組み合わせで進んでいるような気もしています。


 スパコンだって、これがあったら何が出来るかの説明は出来るはず。鳩山君はじめ理系の議員がかなり多い民主党だから科学者の弱さが分かってやっているとしたらすごいとは思います。